Nature ハイライト

細胞:ヘビが行う熱画像化

Nature 464, 7291

脊椎動物で「第六の感覚」といわれる赤外線検知機能をもつことが知られているのは4種だけで、この機能は捕食や温度調節に使われている。これらは、系統的に離れた3種のヘビ(クサリヘビ類、ニシキヘビ類、ボア類のヘビ)とチスイコウモリである。この感覚を媒介するピット器官は、解剖学および行動学的観点からは詳細に研究されているが、赤外線検知の基盤となるシグナル伝達機構やそれに関与する分子についてはほとんどわかっていない。Grachevaたちは、ピット器官をもつヘビは、イオンチャネルTRPA1による精巧な熱検知に依存していることを明らかにしている。この結果により、哺乳類では化学刺激物質、昆虫では温度変化を感知するTRPA1ファミリータンパク質の感覚レパートリーがさらに広がった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度