Nature ハイライト

発生:発毛のシグナル伝達経路

Nature 464, 7291

毛嚢の縮小は変性過程であり、上皮と間葉細胞区画の容積を減少させ、太い毛を細く柔らかい毛に変える。縮小が最もよくみられるのはアンドロゲン性の脱毛症だが、これは遺伝性の先天性貧毛症(HHS)とよばれるまれな脱毛症の特徴でもある。今回、この疾患の患者の家系について遺伝的連鎖解析が行われ、HHSにかかわる遺伝子がAPCDD1であることが突き止められた。この遺伝子は、ヒトの毛嚢で数多く発現する膜結合型糖タンパク質をコードしている。機能解析により、APCDD1はWntシグナル伝達を阻害することが示された。したがって、これは、毛嚢におけるシグナル伝達経路の重要な構成因子であると考えられる。

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