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遺伝:美味なるトリュフのゲノムを解読

Nature 464, 7291

ヨーロッパオークの根に共生して生育するペリゴール産の黒トリュフ(Tuber melanosporum Vittad.)はグルメにとってごちそうだが、今回、そのゲノム塩基配列が解読された。これは、塩基配列が解読された菌類ゲノムとしては、最大かつ最も複雑なものである。そのゲノムには遺伝子が意外なほど少ないが、トランスポゾンとよばれる転位性遺伝因子が多数含まれている。外生菌根を形成する別の共生菌であるオオキツネタケ(Laccaria bicolor)との塩基配列の比較から、根と共生する生活様式に適応するために独自に進化した、相異なる2つの「分子の工具セット」を表す対照的な遺伝子セットが明らかになった。トリュフの栽培化は複雑な過程であり、市場に出回っているトリュフの大半はいまだに野生のものである。そのため、子実体形成や共生に関係する遺伝的形質の解析は、栽培による収量増大に役立ち、それによって黒トリュフが広く手に入るようになるかもしれない。

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