Nature ハイライト

物理:42のビットで実証された真のランダム性

Nature 464, 7291

古典物理学では、ランダム現象は未知であっても実在する力の結果であり、そこには真のランダム性は存在しない。しかし、量子の世界は、本質的に真にランダムである。このことは、ノイズなどの制御できない要因によって隠されるために証明が困難である。今回Pironioたちは、量子力学の2つの基本的概念、すなわちランダム性ともつれ合った粒子の非局所性の間の定量的関係の証明について報告している。彼らはまず、細部の実行状況とは無関係に、ベル不等式の破れによって新しいランダム性の発生が保証されることを、理論的に示した。次に、この方法を説明するための実験を行い、彼らが開発した理論的手法を用いて、42の新しいランダムなビットが発生していることが確認された。この研究は、概念的な意義があるだけでなく、暗号や、物理系や生物系の数値シミュレーションについて実用的なかかわりもある。

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