Nature ハイライト

地球:穏やかな始生代の海洋

Nature 464, 7291

始生代前期(約35億年前)には海水温が55〜85 °Cであったと考えられてきた。しかし、最近の研究から、始生代の海水温は40 °Cを超えなかったことが論証されている。南アフリカのバーバートン緑色岩帯で得られた保存状態のよい岩石には、32億〜35億年前の初期生命と海洋の化学的性質の地球化学的記録が保持されている。バーバートン堆積物におけるリン酸塩の酸素同位体組成に関する新しい研究によって、始生代の海洋は海水温が約26〜35 °Cと低めで穏やかな環境であったことが裏付けられた。この知見より、始生代の地球ではリン循環がよく発達し、生物活動も進化していたことを示唆されている。

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