Nature ハイライト 生態:均衡状態にある環境酵素 2009年12月10日 Nature 462, 7274 生態系でのエネルギーと栄養の流れは、代謝的な限界と利用可能な栄養量の両方に支配されている。今回、微生物が有機物を消化するために環境中に放出する体外「環境酵素」に関する研究により、このような酵素の活性が、微生物群集の組成とは関係のない一定のスケーリング関係に従うことが明らかになった。従属栄養微生物群集による炭素、窒素、およびリンの獲得の大部分にかかわる4種類の酵素について、土壌および淡水堆積物中で活性を測定したところ、炭素:窒素:リンの同化活性の比は、すべての生息環境中でほぼ1:1:1であった。環境酵素の活性は、生態学における2つの基本的統一理論である化学量論的理論と代謝理論をつなぐものと見なせるが、それは、酵素の発現が環境内の利用可能な栄養量のランダムな性質によって特異的に調節される細胞代謝の産物だからである。 2009年12月10日号の Nature ハイライト 地球:史上最大の洪水 宇宙:γ線バーストを加速する磁場 宇宙:スターバースト銀河からの宇宙線 材料:予想外の充填構造 進化:雌がおしゃれになる場合 発生:巻貝の巻型を逆転させる 生態:均衡状態にある環境酵素 植物:種子の調節RNAが温度変化に対応する 細胞:編集による変化 目次へ戻る