Nature ハイライト

植物:種子の調節RNAが温度変化に対応する

Nature 462, 7274

春化処理(バーナリゼーション)とは、植物が冬の寒さにさらされた後、春のちょうどよい時期に開花する能力を獲得する過程のことで、植物の重要な適応形質として農作業に大きな影響を与える。シロイヌナズナの開花抑制因子FLCは春化処理によってサイレンシングを受けるが、この過程にはポリコーム群の調節タンパク質がかかわっている。今回、低温処理した種子中にFLCの非コードアンチセンスRNA転写産物が存在し、温度変化に反応することが明らかになり、低温感知とFLCのサイレンシングに役割を担っている可能性が示唆された。遺伝子の3′末端から始まるこの種のアンチセンス転写は、対応するセンス転写を調節する一般的な機構の1つと考えられる。

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