Nature ハイライト 植物:種子の調節RNAが温度変化に対応する 2009年12月10日 Nature 462, 7274 春化処理(バーナリゼーション)とは、植物が冬の寒さにさらされた後、春のちょうどよい時期に開花する能力を獲得する過程のことで、植物の重要な適応形質として農作業に大きな影響を与える。シロイヌナズナの開花抑制因子FLCは春化処理によってサイレンシングを受けるが、この過程にはポリコーム群の調節タンパク質がかかわっている。今回、低温処理した種子中にFLCの非コードアンチセンスRNA転写産物が存在し、温度変化に反応することが明らかになり、低温感知とFLCのサイレンシングに役割を担っている可能性が示唆された。遺伝子の3′末端から始まるこの種のアンチセンス転写は、対応するセンス転写を調節する一般的な機構の1つと考えられる。 2009年12月10日号の Nature ハイライト 地球:史上最大の洪水 宇宙:γ線バーストを加速する磁場 宇宙:スターバースト銀河からの宇宙線 材料:予想外の充填構造 進化:雌がおしゃれになる場合 発生:巻貝の巻型を逆転させる 生態:均衡状態にある環境酵素 植物:種子の調節RNAが温度変化に対応する 細胞:編集による変化 目次へ戻る