多くの鳥類では、雄の外見はカラフルで派手だが、雌はバードウオッチャーがLBJ(little brown jobs;茶色くて地味な小鳥)という言葉でひとくくりにするほど地味である。これは、雄が複数の雌に求愛し、雌が配偶相手を選り好みする種にいえることで、雌は子の養育に投資の大部分を注ぐのだから、そうなるのは当然である。しかし、雌雄で子の養育を分担する協同繁殖型の種ではどうだろうか。そのような種では、雌雄の見た目が似ている傾向がある。これは雄の装飾が地味になったためだというのが一般的な説明だが、必ずしもそうとは限らないことが、アフリカに生息するムクドリ類の雌雄の装飾の程度に関する研究によって、今回示された。この仲間のうち群れ生活を送る種では、雌が雄をひきつけるためにほかの雌と競争し、装飾が雄と同じくらい派手になっている。一方、群れで生活しない種では、雄の装飾が雌よりも派手である。