Nature ハイライト

宇宙:McNeilが見つけた星雲

Nature 430, 6998

今年1月、ケンタッキー州西部のアマチュア天文家J McNeilは、自身の新しい3インチ反射望遠鏡を使用して、良く知られた天体、オリオン座のM78反射星雲を撮影した。そしてこの画像を処理したところ、そばに見慣れない星雲が写っていることに気づいた。これが現在、McNeil星雲として知られているものである。この領域の空を撮影した画像を再調査したところ、2003年11月にオリオン座の暗黒星雲の奥深くに隠れた若い低質量星が、突然輝いて星雲を照らし、その直後にこの星雲が発見されたということがわかった。 今週号でJ H Kastnerたちは、この星からのX線流束が、その輝度を50倍増加させたことを示した。またこの星では、赤外放射や可視光放射の劇的なアウトバーストが発生しており、その結果、McNeilが星雲を発見できたのだった。Kastnerたちが説明しているように、このアウトバーストは、星への急速な物質降着の段階が突如始まったため起きたようだ。爆発的活動をしている若い星からの、降着で増強されたこのようなX線放射は、おそらく短寿命であろう。なぜなら、星とその周囲の降着円盤との間に働く強い相互作用は、そのあと物質が星に大量流入することで急速に消失するからである。これにより、McNeil星雲が断続的に出現するわけが説明できるかもしれない。この星雲は、1990年代と1950年代の画像には見られず、1960年代の写真には出現していたのだった。

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