Nature ハイライト 発生:Hox遺伝子は多様性のもと 2010年3月4日 Nature 464, 7285 Hox遺伝子群は、あらゆる動物で体軸に沿った構造の指定に中心的な役割を担っており、Hoxの発現パターンの変化は、脊椎動物の体制の多様性と並行している。トカゲやヘビなどの有鱗目爬虫類におけるHox編成の研究から、Hoxクラスターに予想外に多くの転移性遺伝因子が蓄積していることが示された。これは、コード領域と非コード調節領域で広範囲にわたるゲノム再編成があったことを表している。異なる中軸骨格をもつコーンスネーク(ヘビ類)とウィップテールリザード(トカゲ類)の2種間における発現比較解析から、Hox13とHox10の発現の主要な変化が、発生中のヘビ胚の尾部と胸部領域の伸長と一致していることが明らかになった。したがって、Hoxクラスターの構造と機能の変化は、この分類群でみられる大規模な形態的放散を反映していると考えられる。 2010年3月4日号の Nature ハイライト 物理:量子計算キット 遺伝:起源の古い遺伝的変異体 細胞:蚊が匂いを選び出す仕組み 宇宙:銀河を形作るもの 材料:有機超伝導体 微生物:スリムでけちな微生物 進化:初期の草食性シレサウルス 発生:Hox遺伝子は多様性のもと 医学:ミトコンドリアの反乱 目次へ戻る