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動物行動:チンパンジーでも娘は母をまねる

Nature 428, 6984

チンパンジーの若いメスは、棒を使ってシロアリを釣るやり方を、オスよりも早く覚えるという。 E Lonsdorfたちは、タンザニアのゴンベ国立公園にすむ野生チンパンジーの調査群で、若いチンパンジーどうしで学習状況にはっきりとした性差があることに気づいた。それによると、メスのチンパンジーはオスに比べて、母親がシロアリ釣りをする様子を見ている時間が長いという。一方、若いオスはというと、シロアリの塚で遊ぶ時間のほうが長い。シロアリを自分で釣るようになったとき、娘は母親のやり方をそっくりまねるが、息子のほうはそうではない。娘は母親がやっていたのと同じ深さまで、塚の中に棒を突っ込もうとし、その結果、娘たちのシロアリ釣りの成功率は息子たちよりも高くなった。 ヒトの子どもが新しい技能を覚える際にも、これと似た学習の性差が見られる。Lonsdorfたちによれば、こうした学習の性差は、少なくともチンパンジーとヒトの最終共通祖先にまでさかのぼれるのではないかという。

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