対象を視覚短期間記憶にとどめておく能力は、鍵となる脳領域におけるニューロンの活動と関係することを、2つの論文が明らかにしている。視覚系のおかげで、私たちは豊かで詳細な視覚世界を知覚できるが、視覚短期記憶(VSTM)で保持できるのは、この情報のごく一部だけである。人それぞれの能力に差はあるが、ほとんどの人の場合、VSTMに1度に保持できる対象の数は3〜4個である。今回、2つの研究チームが、VSTMに視覚情報を保持する能力は、後頭頂皮質のニューロンの活動度に関係することを明らかにした。それぞれのチームは異なる心理学テストを行い、異なる方法で脳の活動を測定したが、得られた結論は同じだった。E K VogelとM G Machizawaは電気的活動を調べ、J J ToddとR Maroisは磁気共鳴映像法で血流を調べた。Vogelたちはまた、VSTMへの情報保持能力が異なる人々を被験者とした研究も行い、後部頭頂皮質における電気的活動からVSTMの記憶容量が予測できることがわかった。