ニワシドリ科の鳥のオスはなぜ、交配相手をゲットするのにあの手この手を使って、こんなに一生懸命頑張るのだろうか。それは、メスによって好みがそれぞれだかららしい。アオアズマヤドリ(Ptilonorhynchus violaceus)というニワシドリ科の鳥のオスは、巣を青い色の物で飾って、メスの目をひこうとする。もしメスがその様子を見て気に入ると、巣にオスがいるときにまたやってきて、オスが一連の儀式的なポーズをとるのをながめる。しかし、どうやら若いメスは飾り立てた巣のほうに重点を置くらしい。S W Colemanたちが一部の巣に青いタイルを追加して巣をさらに飾り立てたところ、巣によってオスを選んだのは3歳未満のメスに限られた。もっと経験豊富なメスでは、オスの求愛動作のほうを重視する傾向が強かった。このことからみて、年を重ねたメスは、巣のまわりにオスがいないときにだけ、巣の装飾からオスを評価するのだと考えられる。これに対して若いメスはオスの求愛動作におじけづいてしまい、そのためオスの作った巣だけをもとにオスを評価するのではないかというのが、Colemanたちの推測である。「オスの求愛動作が若いメスには恐ろしげに見え、そのためメスの年齢によって求愛行動の好みに差が生じてきたようだ」とNews and ViewsでM J Ryanが解説している。