Nature ハイライト

進化:進化の遺伝学の釣果

Nature 428, 6984

小さなゼブラフィッシュは、進化の根底にある遺伝的変化を解き明かす手助けをしてくれている。そして今度は、トゲウオ科の淡水魚で背に3本のとげがあるイトヨで、四肢縮小の遺伝的原因が明らかにされた。 イトヨの一部は腹びれに大きな棘があり、これは捕食者にのみ込まれにくくする物理的障壁となっている。また別のイトヨでは腹びれが進化の過程で縮小してしまっているが、これはおそらく捕食者のいない水域で生息してきたためらしい。D M Kingsleyたちは、これら2つの型のイトヨについて遺伝子地図を比較して、腹びれの大きさの変化の主原因となる遺伝子(Pitx1)を見つけだした。 今回のデータは、四肢類でのPitx1に関する研究結果を補足するものである。Pitx1が機能しないマウスは後肢が小さく、その影響は左足よりも右足に大きく現れる。天然の淡水産イトヨ集団の中でも腹びれに同じ非対称性が認められる。 「Kingsleyたちは決定的証拠、すなわち集団間の遺伝子の相異によって生じたある種の大進化の実例を見つけたのかもしれない」と、N H ShubinとR D DahnがNews and Viewsで述べている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度