Nature ハイライト

脳:血液脳関門の形成

Nature 468, 7323

血液脳関門は血管内皮細胞から作られており、中枢神経系と体のほかの部分との間に立つ門番の役目を果たしている。これまでの研究では、血液脳関門はアストロサイトとよばれる非神経細胞から内皮細胞へのシグナル伝達によって、出生後に形成されると考えられてきた。今回2つの研究グループが別々に、この関門では血管を取り囲む周皮細胞とよばれる細胞が重要な因子であり、これと内皮細胞との相互作用により、実際には胚発生の過程で形成されることを実証している。血液脳関門の機能における周皮細胞、神経内皮細胞およびアストロサイトの密接な関係についてさらに解明が進めば、中枢神経系の損傷や疾患の際に起こる血液脳関門崩壊について理解する助けとなるだろう。

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