Nature ハイライト
宇宙:セファイド変光星の質量
Nature 468, 7323
セファイド変光星は、宇宙の距離を決定するのに使われるため、現代天文物理学の発展過程で重要とされてきた。しかし、詳しい研究がなされているにもかかわらず、まだわかっていない問題がいくつか残っている。そのうちの1つが、いわゆる質量不一致問題で、脈動理論(変光星の光度変化の原因は脈動である)から計算される古典的セファイド超巨星の質量が、恒星進化モデルから計算される質量よりも小さいことである。質量を正確に決定する理想的な系はおそらく、構成要素の1つが古典的セファイドであり、大きく分離した二重スペクトル線を示す(double-lined)食連星であろう。Pietrzynskiたちは、大マゼラン雲内にまさにそのような系を発見したことを報告している。そして、1パーセントの精度で決定された質量は、脈動理論によって予想された質量と一致している。
2010年11月25日号の Nature ハイライト
細胞:繊維芽細胞から血液前駆細胞までの直行ルート
生理:新発見の糖輸送体は植物病原体に盗用されている
生理:WAVEによるアクチン重合の制御
宇宙:検証に合格した暗黒エネルギー
宇宙:セファイド変光星の質量
物理:量子光を凝縮する
材料:グラフェンを作るレシピ
脳:血液脳関門の形成
がん:p53修復の抗腫瘍効果にみられる限界
細胞:動原体–微小管結合の安定性