Nature ハイライト
宇宙:検証に合格した暗黒エネルギー
Nature 468, 7323
1979年10月にNatureに掲載された論文で、C AlcockとB Paczynskiは、宇宙論で最もやっかいな問題の1つである、モデルによらず純粋に幾何学的な方法を使って宇宙の曲率を測定する問題を解決するための戦略を提案した。このアイデアは、重力に逆らうように作用すると考えられる暗黒エネルギー成分を評価するものだが、これまで実行されたことはなかった。今回C MarinoniとA Buzziは、テスト天体として複数の遠方銀河対を使ってAlcock–Paczynskiテストの実行に成功したことを報告している。アーカイブデータから得られた遠方銀河対の対称性の解析から、宇宙は平坦であることが決定でき、空間の幾何学的性質と暗黒エネルギーの状態方程式パラメーターを交互に固定することによって、暗黒エネルギーの存在量と状態の新たな尺度が確立された。
2010年11月25日号の Nature ハイライト
細胞:繊維芽細胞から血液前駆細胞までの直行ルート
生理:新発見の糖輸送体は植物病原体に盗用されている
生理:WAVEによるアクチン重合の制御
宇宙:検証に合格した暗黒エネルギー
宇宙:セファイド変光星の質量
物理:量子光を凝縮する
材料:グラフェンを作るレシピ
脳:血液脳関門の形成
がん:p53修復の抗腫瘍効果にみられる限界
細胞:動原体–微小管結合の安定性