Nature ハイライト

医学:結核のバイオマーカー

Nature 466, 7309

結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に対する免疫応答は複雑で、その性質はまだ完全に解明されておらず、そのことが結核の新たな診断法、治療法およびワクチン開発を妨げている。今回、システム生物学の手法を用いて、活動性および潜在性結核患者と健康な対照者の間で、発現される遺伝子の転写プロファイルの比較が行われた。活動性肺結核は、好中球で機動されるインターフェロン誘導性の遺伝子プロファイルと相関することが明らかになった。潜在性結核患者の約10 %は、活動性結核へ進行する。今回の研究では、潜在性結核患者の10 %が活動性結核でみられるのと同様の転写特性を示したことから、このバイオマーカーは予後および診断に役立つと考えられる。

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