Nature ハイライト

生態:波間に漂う微生物の生態

Nature 468, 7320

今回K Nealsonたちは、世界各地のさまざまな海洋環境から収集された137の微生物分離株のゲノム塩基配列を新たに解読し、既に得られているゲノムおよびメタゲノムのデータと合わせて用いることで、海洋表層に生息するプランクトン群集の生態の概要を示している。2つの主要な微生物グループの存在が明らかになった。第一のグループには、大増殖することが滅多にない多くの微生物分類群が含まれる。このグループは、エネルギーの豊富な環境では急速に増殖し、食物が不足すると増殖速度を落とすという「浮き沈みの激しい」生活様式に適応していると考えられる。第二のグループは、常時大量に存在し、汎存性である少数のプランクトン分類群からなる。これまでほとんど培養されたことのないこれらの微生物は、ゲノムが比較的小さく、ゆっくり増殖してバイオマスを低く維持することによって捕食を免れていると考えられる。

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