Nature ハイライト
宇宙:解明された強力なX線源
Nature 468, 7320
近傍銀河M33にある連星系X線源X-7は、その進化の歴史を理論的に説明するのが難しいことがわかっている。系を構成する星が大質量であることや、高速で自転しているブラックホールが周回している、水素に富んだ大きな伴星のサイズに比べて系の軌道が狭いことは、これまで説明できなかった。Valsecchiたちは、進化の道筋のシミュレーションを行い、もしM33 X-7が、85〜99 M◎の主星と、2.8〜3.1日で周回する28〜32 M◎の伴星としてスタートしたとすれば、観測されたその特徴が矛盾なく説明できることを報告している。M33 X-7が進化の間に経てきたと思われる過去のさまざまな段階が別の連星でも観測されていることは、この新しいモデルの裏付けとなる。
2010年11月4日号の Nature ハイライト
宇宙:初期宇宙に起きた大事件
物理:高エネルギーで電荷が零になる?
生態:波間に漂う微生物の生態
細菌の免疫:守備範囲の広いCRISPR/Cas
生理:ビデオに撮られた歩くミオシンV
宇宙:解明された強力なX線源
地球:氷期における大西洋の流れの逆転
医学:プロゲスチンと乳がん
生理:ビタミンK代謝の重要な酵素