Nature ハイライト 生態:絶滅速度を解明する 2011年5月19日 Nature 473, 7347 地球が生物多様性の危機に直面していることは広く認められているが、絶滅速度の推定はいまだに難題となっている。その理由の1つは、種の最後の個体がいつ死んだのかを特定するのがほとんど不可能ということである。今回F HeとS Hubbellは、種数–面積関係のデータを後ろ向きに外挿して絶滅速度を推定するという、広く用いられている間接的な方法だと、絶滅速度が実際より大きく見積もられてしまう傾向があることを示した。そして、その一例として、米国のスズメ目鳥類種に関するデータを挙げている。絶滅状況を監視するためのもっと信頼性の高い方法を開発する必要はあるにしても、生息場所の喪失は生物多様性にとっていまだに現実的かつ拡大しつつある脅威であることを、HeとHubbellは強調している。 2011年5月19日号の Nature ハイライト 細胞:哺乳類の遺伝子発現制御の定量化 遺伝:Tetタンパク質によるDNAメチル化の微調整 宇宙:孤独な惑星が生まれた理由 物理:重たい反物質の検出 地球:地球内核の融解 進化:無肢化への2つの道筋 生態:絶滅速度を解明する 脳:不安の原因 植物:植物の根の細胞壁の構造 目次へ戻る