Nature ハイライト

植物:植物の根の細胞壁の構造

Nature 473, 7347

植物では、根の内皮細胞層はカスパリー線によって外側と内側の細胞層を隔てている。1865年にRobert Casparyが発見したカスパリー線は細胞壁が変化した疎水性の組織で、層内の細胞間にネットワークを形成して細胞外間隙を埋め、動物の上皮細胞間の隙間を塞ぐ密着結合と似た働きをしている。カスパリー線は栄養の取り込みに重要だが、その形成や正確な位置を決める因子となる分子についてはほとんど解明されていない。今回Roppoloたちは、CASP(Casparian strip membrane domain protein)という膜貫通型タンパク質の新規ファミリーを同定した。CASPは内皮細胞膜内に輪状の領域を形成し、これがカスパリー線の位置と構造を決定している。

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