Nature ハイライト 植物:植物の根の細胞壁の構造 2011年5月19日 Nature 473, 7347 植物では、根の内皮細胞層はカスパリー線によって外側と内側の細胞層を隔てている。1865年にRobert Casparyが発見したカスパリー線は細胞壁が変化した疎水性の組織で、層内の細胞間にネットワークを形成して細胞外間隙を埋め、動物の上皮細胞間の隙間を塞ぐ密着結合と似た働きをしている。カスパリー線は栄養の取り込みに重要だが、その形成や正確な位置を決める因子となる分子についてはほとんど解明されていない。今回Roppoloたちは、CASP(Casparian strip membrane domain protein)という膜貫通型タンパク質の新規ファミリーを同定した。CASPは内皮細胞膜内に輪状の領域を形成し、これがカスパリー線の位置と構造を決定している。 2011年5月19日号の Nature ハイライト 細胞:哺乳類の遺伝子発現制御の定量化 遺伝:Tetタンパク質によるDNAメチル化の微調整 宇宙:孤独な惑星が生まれた理由 物理:重たい反物質の検出 地球:地球内核の融解 進化:無肢化への2つの道筋 生態:絶滅速度を解明する 脳:不安の原因 植物:植物の根の細胞壁の構造 目次へ戻る