Nature ハイライト

物理:重たい反物質の検出

Nature 473, 7347

α粒子は、2個の陽子と2個の中性子からなるヘリウム原子核であり、1世紀前にアーネスト・ラザフォードにより発見された。α粒子に対応する反物質は2個の反陽子と2個の反中性子からなる。今回これが、ブルックヘブン国立研究所の相対論的重イオン衝突型加速器によって検出された。STAR Collaborationが検出した反α粒子は、現在までに観測された最も重い反原子核であり、その収率は熱力学モデルと合体元素合成モデルの予想結果と合っている。この発見から、もっと重い反物質原子核も同様の生成率になると予測され、今回の発見は、将来宇宙において行われると予想される反α粒子の観測の基準となる。

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