Nature ハイライト 物理:重たい反物質の検出 2011年5月19日 Nature 473, 7347 α粒子は、2個の陽子と2個の中性子からなるヘリウム原子核であり、1世紀前にアーネスト・ラザフォードにより発見された。α粒子に対応する反物質は2個の反陽子と2個の反中性子からなる。今回これが、ブルックヘブン国立研究所の相対論的重イオン衝突型加速器によって検出された。STAR Collaborationが検出した反α粒子は、現在までに観測された最も重い反原子核であり、その収率は熱力学モデルと合体元素合成モデルの予想結果と合っている。この発見から、もっと重い反物質原子核も同様の生成率になると予測され、今回の発見は、将来宇宙において行われると予想される反α粒子の観測の基準となる。 2011年5月19日号の Nature ハイライト 細胞:哺乳類の遺伝子発現制御の定量化 遺伝:Tetタンパク質によるDNAメチル化の微調整 宇宙:孤独な惑星が生まれた理由 物理:重たい反物質の検出 地球:地球内核の融解 進化:無肢化への2つの道筋 生態:絶滅速度を解明する 脳:不安の原因 植物:植物の根の細胞壁の構造 目次へ戻る