Nature ハイライト

物理:シリコン中の原子を操作する

Nature 465, 7301

原子が「リュードベリ」状態に励起されると、電子波動関数が0.1ナノメートル未満から数ナノメートル以上に広がることがある。この過程を使えば、通常の状態なら十分離れていて相互作用しない原子の間に相互作用を誘発して、コヒーレントに制御できる。T Greenlandたちは、この現象を利用し、レーザー冷却トラップ原子を用いて以前に行われた操作と同様の量子操作を、今度は固体状態で、つまりシリコン中のリン不純物(ドーパント)原子について実現した。この手法を応用すれば、量子論理ゲートの実現に必要とされているような、既知の位置にある、独立にアドレス可能な少数不純物原子の制御が可能になるかもしれない。

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