Nature ハイライト 生態:餌探しのパターン 2010年6月24日 Nature 465, 7301 食物資源が散在していて予測不能な生息場所では、餌を探す最もよい方法はどのようなものなのだろうか。理論からは、餌を探す動物は「レヴィ・フライト」探索戦略を採用すると考えられている。この戦略は「ランダム・ウォーク」の変形版で、餌を求めて短距離移動を繰り返す間に、時おり長距離移動を行うというものである。しかし、捕食者が豊富な餌の真っただ中にいる場合には、単純で不規則な「ブラウン」運動で十分なはずである。野生動物の真のレヴィ・フライト型採餌行動を示す明確な証拠はとらえにくいことがわかっているが、サメやマカジキ、マグロなどの海洋捕食者14種に関する大規模データセットの分析で、今回それが立証された。電子標識を使って、こうした魚類は、生産力が低くて被食者が散在している海域を回遊する場合にはレヴィ型行動をとり、生産力のある生息場所ではブラウン運動型の行動をとることが明らかになった。 2010年6月24日号の Nature ハイライト 化学:新しいアミド合成方法 遺伝:偽遺伝子の役割 生化学:DNAポリメラーゼの構造 宇宙:ホットジュピターの重さを量る 物理:シリコン中の原子を操作する 海洋:海洋の硝酸塩は上昇する 生態:餌探しのパターン 神経:神経活動の司令塔 目次へ戻る