Nature ハイライト 海洋:海洋の硝酸塩は上昇する 2010年6月24日 Nature 465, 7301 世界の海洋の生産性の低い貧栄養水域の大部分の表層混合層では、春季と夏季に、溶存無機炭素の季節的な枯渇が生じる。消失する溶存無機炭素は、光合成によって粒子状炭素に転換されると考えられているが、植物の増殖量を支えるのに十分な溶存栄養物は存在しないようにみえる。今回、北太平洋における研究で、栄養供給機構と思われるものが明らかになった。10日程度まで持続する短期的な輸送事象が、栄養の乏しい表層水と深層水に蓄積された溶存硝酸塩を結びつけているのである。表面から水深250メートルまでの水柱を全体として考えると、栄養の供給と需要はほぼ等しくなる。 2010年6月24日号の Nature ハイライト 化学:新しいアミド合成方法 遺伝:偽遺伝子の役割 生化学:DNAポリメラーゼの構造 宇宙:ホットジュピターの重さを量る 物理:シリコン中の原子を操作する 海洋:海洋の硝酸塩は上昇する 生態:餌探しのパターン 神経:神経活動の司令塔 目次へ戻る