Nature ハイライト Cover Story:光の捕捉:固体量子メモリーからの光子の効率よい取り出し 2010年6月24日 Nature 465, 7301 未来の量子コンピューターと通信ネットワークには、光の量子的性質を効率よく蓄積し、取り出せるメモリーデバイスが必要だと考えられる。以前に実証された量子メモリーは、記憶媒体に原子蒸気を使い、弱い入力で、効率は20%以下であった。今回、M Hedgesたちは、オルトケイ酸イットリウム単結晶中のプラセオジミウムイオンに蓄積した光を使った固体量子メモリーを報告している。全体としての効率は69%に達し、比較的明るい光の場合でも、光子の数分の1以内という正確さが得られた。結晶材料に改良を加えれば、この手法は量子情報技術の実際的な応用のための要件を満たすものとなりそうだ。表紙は、この量子メモリーを実証する記憶媒体として使われたPr3+:Y2SiO5結晶のレーザービームによる励起を示している(Letter p.1052, www.nature.com/podcast)。 2010年6月24日号の Nature ハイライト 化学:新しいアミド合成方法 遺伝:偽遺伝子の役割 生化学:DNAポリメラーゼの構造 宇宙:ホットジュピターの重さを量る 物理:シリコン中の原子を操作する 海洋:海洋の硝酸塩は上昇する 生態:餌探しのパターン 神経:神経活動の司令塔 目次へ戻る