Nature ハイライト 宇宙:地球のものに似た、月のアパタイト 2010年7月22日 Nature 466, 7305 月の内部は、月を形成した衝突によって起こったほぼ完全な脱ガスのために、地球に比べて水素や塩素などの揮発性物質が少ないと考えられている。月の玄武岩14053はアポロ14号が採取した試料で、これまで非常に詳しく研究されてきたが、新たに行われた分析によって、月マントルまたは地殻の一部が今まで考えられていたよりも揮発性物質に富んでいる可能性が示唆された。14053に含まれるアパタイト(リンカイ石)鉱物内の水素、塩素、硫黄の濃度は、地球の一般的な火成岩内にあるアパタイトのものと区別できない。入手可能な別の月岩石に含まれるアパタイトを測定すれば、この玄武岩がもつ地球のものと似た性質の一般性とその意味を解明するのに役立ちそうだ。 2010年7月22日号の Nature ハイライト 医学:新規の抗糖尿病薬 脳:やめるべき時を知る 宇宙:はるか遠くの宇宙の構造 宇宙:地球のものに似た、月のアパタイト 材料:グラフェンのリボンを作る 気候:炭素のシンクとしての湖沼 進化:フェロモンで生じた隔たり 細胞:長寿因子DAF-16d/f 目次へ戻る