Nature ハイライト 材料:グラフェンのリボンを作る 2010年7月22日 Nature 466, 7305 グラフェンナノリボン(厚さが原子1個分で縁が直線状の細長い炭素シート)は、興味深い特性を示し、将来の電子応用に適していると予想されている。この可能性を実現させるには、より化学的に精密なグラフェンナノリボン作製法が必要だろう。Caiたちは、さまざまなトポロジーと幅をもつ原子レベルで精密なグラフェンナノリボンをボトムアップ式に作製する方法を開発して、この目標に一歩近づいたことを報告している。作製過程では、前駆体モノマーを金属表面に蒸着させており、モノマーの構造によって最終リボン生成物のトポロジーと幅が「コード化」される。表面によって前駆体の結合が促進されて直線状ポリフェニレンが形成され、その後、脱水素環化反応が起こる。この方法の汎用性と精密さを考えれば、化学的特性や電子的特性が調整された、もっと珍しい種類のグラフェンナノリボン構造体まで作製できるようになるかもしれない。 2010年7月22日号の Nature ハイライト 医学:新規の抗糖尿病薬 脳:やめるべき時を知る 宇宙:はるか遠くの宇宙の構造 宇宙:地球のものに似た、月のアパタイト 材料:グラフェンのリボンを作る 気候:炭素のシンクとしての湖沼 進化:フェロモンで生じた隔たり 細胞:長寿因子DAF-16d/f 目次へ戻る