Nature ハイライト ナノテクノロジー:光を操る 2004年6月3日 Nature 429, 6991 特別仕様のフォトニック結晶では、集積回路で電子に対して行っていることを光子に対して行うことが、少なくとも理論的には可能である。この新しい材料の周期構造に、制御された予測可能な方法で光を通過させることにより、フォトニック結晶は、ミクロなスケールで「レーザー発振」、つまりレーザーによる発光の微妙な抑制や増強を行えると期待され、超高速の光・量子コンピューティングが可能になると考えられる。だが、フォトニック結晶が光回路として機能するためには、導波路として働く線欠陥や、さまざまな機能の中でも特にレーザー発振のための微小共振器として働く点欠陥を組み込む必要がある。問題は、フォトニック結晶内に、望ましい精度で欠陥を作ることの困難さにあった。そこでM Qiたちが、リソグラフィーによりフォトニック結晶を層状に構築する新しい方法を提案している。これはエレクトロニクスで集積回路を作る方法に似ており、彼らは点欠陥を慎重に導入したデバイスを構築し、遠距離通信に利用される周波数の光を操作する構造を生み出した。 2004年6月3日号の Nature ハイライト ナノテクノロジー:光を操る 神経:ニューロンにも若気の至り 生態:林冠で引き上げられる生物多様性 物理:対称性の破れ 進化:ラットとマウスの違いの決め手は選択 生態:愛のアタックを雌雄で途中交代 目次へ戻る