Nature ハイライト 細胞:分泌輸送を監視する 2011年5月12日 Nature 473, 7346 分泌経路では、新しく合成されたタンパク質がCOPII被覆小胞に詰め込まれて、小胞体からゴルジ体まで輸送される。この小胞輸送が一定方向にだけ輸送される仕組みは、細胞生物学において重要だが、これまで解明されていなかった。今回S Ferro-Novickたちは、内殻がSec23p/Sec24p、外殻がSec13p/Sec31pサブユニットで構成されるCOPII小胞は、ゴルジ体に到達するまで被覆を保持し続けることを示し、この問題を解決した。ゴルジ体では、ゴルジ体関連キナーゼであるHrr25pが、Sec23p/Sec24p被覆複合体をリン酸化する。被覆のリン酸化と脱リン酸化はそれぞれ、小胞の融合および出芽に必要である。Sec23pは、3つの結合相手と連続的に相互作用して小胞体–ゴルジ体間輸送の方向性を確保し、COPII小胞が小胞体に逆融合することも防止している。 2011年5月12日号の Nature ハイライト 医学:ヒト腸内微生物の秩序を探る 細胞:分泌輸送を監視する 宇宙:逆行するホットジュピターの形成 地球:マントル深部にある密度の高いメルト 代謝:珪藻類では逆の役割を持つ尿素サイクル 代謝:細菌プランクトンによる炭素および硫黄の隔離 医学:代謝物の「助っ人」を使って永続伝播型病原菌を殺す仕組み 生理:脂質シグナルと寿命の延長 医学:Notchシグナル伝達と腫瘍抑制 目次へ戻る