Nature ハイライト 医学:代謝物の「助っ人」を使って永続伝播型病原菌を殺す仕組み 2011年5月12日 Nature 473, 7346 細菌は、抗生物質による殺菌などのようなストレスがかかった条件下では、潜伏した「永続伝播」状態に入って、ストレス条件に対してより高い耐性を示すことがある。臨床では、永続伝播型微生物が生じると、病原菌の根絶が不完全となり、治療の失敗につながりかねない。J Collinsたちは、グルコースやピルビン酸などの特定の代謝的刺激が、ゲンタマイシンなどのアミノグリコシド系抗生物質による永続伝播型細菌の殺菌を促進しうることを明らかにしている。このことは、慢性細菌感染の治療では、代謝物質をアミノグリコシド系抗生物質の補助剤として投与することで、治療効果が上がる可能性を示している。 2011年5月12日号の Nature ハイライト 医学:ヒト腸内微生物の秩序を探る 細胞:分泌輸送を監視する 宇宙:逆行するホットジュピターの形成 地球:マントル深部にある密度の高いメルト 代謝:珪藻類では逆の役割を持つ尿素サイクル 代謝:細菌プランクトンによる炭素および硫黄の隔離 医学:代謝物の「助っ人」を使って永続伝播型病原菌を殺す仕組み 生理:脂質シグナルと寿命の延長 医学:Notchシグナル伝達と腫瘍抑制 目次へ戻る