Nature ハイライト

気候:2011年春における北極のオゾンホール

Nature 478, 7370

1980年代に発見されて以来、南極のオゾンホール、すなわち成層圏下部のオゾンのほぼ完全な消失は、毎年発生している。北半球において同様の結果が生じる可能性はこれまで議論されてきたが、北極のオゾン濃度はかなり変動するにもかかわらず、南極で観測されるほどの極端な事象には至らなかった。とにかく、今年までは。2011年の晩冬から早春にかけて行われた観測から、北半球上空でこれまで観測された変化幅をはるかに超え、南極のオゾンホールのいくつかの事例に匹敵するオゾン消失が明らかになった。このオゾンホールが形成されたのは、寒冷な時期が異例に長く、オゾンを破壊する塩素の濃度が高かったためだった。この影響は劇的だったが、似たような北極オゾンホールが将来現れるかどうか予測することは難しい。

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