Nature ハイライト 化学:界面張力のキラル制御で自己集合を操る 2012年1月19日 Nature 481, 7381 界面張力は複雑な多成分材料の重要な特性である。最もよく知られている界面張力調節法は、界面活性剤を添加することである。この例として、通常の洗剤や、哺乳類の肺に見られるタンパク質/脂質からなる肺胞表面活性物質が挙げられる。今回、Z Dogicたちは、分子キラリティーを介して二次元コロイド膜の界面張力を操作する新しい方法について報告している。キラリティーを示す棒状ウイルスのわずかなねじれは、二次元液晶膜に取り込まれると維持されず、膜の端に追いやられる。ウイルスのキラリティーは温度で調節できるので、膜の端の線張力を操作でき、最終的には多形転移させることができる。光ピンセットでこの系を操作すれば、再構成可能な構造体を作ることができるので、複雑なトポロジーを持つ新しい汎用材料のナノ整形が可能になるかもしれない。 2012年1月19日号の Nature ハイライト 環境:アマゾンは負担に耐えられるか 医学:SYKは網膜芽細胞腫の治療標的となる 宇宙:暗黒物質からなる遠方の銀河の性質が明らかになった 化学:界面張力のキラル制御で自己集合を操る 進化:段階的に複雑度を高める方法 医学:ヒトタンパク質とHIVタンパク質の相互作用 医学:抗HIV標的となるVif–CBF–β相互作用 医学:ER+腫瘍の臨床転帰 目次へ戻る