Nature ハイライト 宇宙:活動的な火星 2012年5月17日 Nature 485, 7398 火星の表面での風食作用や砂丘形成については、はっきりとした証拠がある。しかし、このような移動の規模や、こうした過程が現在も起こっているのかどうかは、はっきりしていない。Bridgesたちは、マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラ(HiRISE)からのデータを分析して、火星の南半球にあるニリ・パテラ砂丘地域を横断する砂漣の移動速度を測定した。意外にも、砂丘では大量の砂が移動しており、その量は地球上の極端な砂漠条件下で観測されるものと等しいことがわかった。火星についての考え方の1つは、ヘスペリア代(35億年前から18億年前までの期間)の終わりから地形の状況はほとんど変わっておらず、浸食率はかなり低いというものである。だが、今回得られた知見は、少なくとも火星の数か所では、激しく巻き上がる砂塵と風がいまだ存在していることを示唆している。 2012年5月17日号の Nature ハイライト 宇宙:活動的な火星 計測:トンネリング時間を計る 生態:侵入種の低木は秋の生育期間が長い 遺伝:精神疾患における遺伝子量の影響 医用工学:麻痺した腕でも物がつかめる 医用工学:四肢麻痺患者でもロボットアームで物をつかめる 遺伝:明らかになったゲノムの空間的構造 目次へ戻る