Nature ハイライト 生理:アンドロステノンを嗅ぐ 2007年9月27日 Nature 449, 7161 ヒトでは、特定の匂いに対する感受性と、それらの主観的な認識のどちらにも、かなりの個人差がある。今回新たな研究から、単一のヒト嗅覚受容体にある遺伝的差異が知覚の個人差と関連することが初めて示された。嗅覚受容体のOR7D4は、in vitroでアンドロステノンにより選択的に活性化される。アンドロステノンはテストステロンの代謝産物で、ヒトのフェロモンにあたるのではないかと考える研究者もいる。OR7D4をコードする遺伝子の差異は、個人がそれぞれアンドロステノンをどのような匂いと感じるかに影響を及ぼしており、この匂いを快いと感じる人や不快と感じる人、さらには何も匂いを感じない人がいる。また、こうした差異は匂いの強さの知覚にも影響を及ぼしている。 2007年9月27日号の Nature ハイライト 細胞:顔の広い細胞 ゲノム:解読4番目の被子植物はブドウ 進化:発生は進化の選択肢を作り出す 細胞:DNAから「U」を閉め出す 物性:加圧されたナトリウム 気候:暖水域の役割 考古:最古の水田? 生理:アンドロステノンを嗅ぐ 細胞:分化の逆戻り 目次へ戻る