Nature ハイライト

生理:アンドロステノンを嗅ぐ

Nature 449, 7161

ヒトでは、特定の匂いに対する感受性と、それらの主観的な認識のどちらにも、かなりの個人差がある。今回新たな研究から、単一のヒト嗅覚受容体にある遺伝的差異が知覚の個人差と関連することが初めて示された。嗅覚受容体のOR7D4は、in vitroでアンドロステノンにより選択的に活性化される。アンドロステノンはテストステロンの代謝産物で、ヒトのフェロモンにあたるのではないかと考える研究者もいる。OR7D4をコードする遺伝子の差異は、個人がそれぞれアンドロステノンをどのような匂いと感じるかに影響を及ぼしており、この匂いを快いと感じる人や不快と感じる人、さらには何も匂いを感じない人がいる。また、こうした差異は匂いの強さの知覚にも影響を及ぼしている。

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