Nature ハイライト 細胞:顔の広い細胞 2007年9月27日 Nature 449, 7161 樹状細胞は、血液中や、皮膚、鼻、肺、胃、腸の内表面などの環境に直接触れる組織に見いだされる。この細胞の働きは、周辺の環境からの刺激に対する自然免疫および適応免疫応答の調整である。Review Articleでは、R Steinman(樹状細胞の発見により今年度のラスカー医学研究賞を受賞した)とJ Banchereauが、樹状細胞の医学にかかわる性質について論じている。病原体と腫瘍は、免疫から逃れるために樹状細胞を使うことがあり、樹状細胞を理にかなった薬物標的にする。また、樹状細胞は抵抗性を生じさせることもできる。樹状細胞は、アレルギーや自己免疫、移植片拒絶では望ましくない免疫応答を誘発することがあるが、こういう状態を沈静化させることができるのもまた、樹状細胞なのである。 2007年9月27日号の Nature ハイライト 細胞:顔の広い細胞 ゲノム:解読4番目の被子植物はブドウ 進化:発生は進化の選択肢を作り出す 細胞:DNAから「U」を閉め出す 物性:加圧されたナトリウム 気候:暖水域の役割 考古:最古の水田? 生理:アンドロステノンを嗅ぐ 細胞:分化の逆戻り 目次へ戻る