Nature ハイライト 考古:最古の水田? 2007年9月27日 Nature 449, 7161 中国東部はイネ栽培化の黎明期における中心地の1つであったが、この最古の農耕システムについてはよくわかっていない。中国東部にあるほぼ7,700年前の最古の新石器時代遺跡から得られた新たな生態学的証拠から、新石器時代の共同体は低湿地帯を選んで稲作地としていたことが示唆された。塩分をわずかに含む汽水による定期的な冠水は、恐らく堤防を築いて防がれ、この堤防は大規模な浸水を防ぐ一方で、季節的にもたらされる養分豊富な氾濫水の一部をためていた。こうすることで、イネの収量を高めるために必要な一貫性のある水の管理が可能になったと考えられる。この遺跡の土地利用は、約7,550年前の海水面上昇による水没で終わりを告げた。この研究結果は、水田農業が従来考えられてきたよりもずっと古くからあったもので、中石器時代の狩猟採取生活から定住型の新石器時代農業経済への移行という、人類文化史上の重要な適応が起こったとき以来存在していることを意味している。 2007年9月27日号の Nature ハイライト 細胞:顔の広い細胞 ゲノム:解読4番目の被子植物はブドウ 進化:発生は進化の選択肢を作り出す 細胞:DNAから「U」を閉め出す 物性:加圧されたナトリウム 気候:暖水域の役割 考古:最古の水田? 生理:アンドロステノンを嗅ぐ 細胞:分化の逆戻り 目次へ戻る