Nature ハイライト 気候:暖水域の役割 2007年9月27日 Nature 449, 7161 西部太平洋暖水域、つまり西部熱帯太平洋にある暖水領域上での大気の対流は、温帯への熱と水蒸気の主要な供給源である。したがって、この過程は過去の全球規模の気候変化に重要な役割を果たしてきた可能性があるが、これについてはまだよくわかっていない。それは、年代がはっきり特定された解像度の高い気候記録が、暖水域からは得られていないためである。しかし今回、ボルネオ北部の3つの洞窟の石筍から酸素同位体記録という形で、数千年の時間スケールでこの熱帯太平洋の水文学的変化を表す、欠けていた過去27,000年間にわたるデータが得られた。この記録は、熱帯太平洋の水循環が、外部放射強制力だけでなく、南北両半球高緯度域の気候過程に対しても敏感であり、急激な気候変化事象に重要な役割を果たしていた可能性があることを示している。 2007年9月27日号の Nature ハイライト 細胞:顔の広い細胞 ゲノム:解読4番目の被子植物はブドウ 進化:発生は進化の選択肢を作り出す 細胞:DNAから「U」を閉め出す 物性:加圧されたナトリウム 気候:暖水域の役割 考古:最古の水田? 生理:アンドロステノンを嗅ぐ 細胞:分化の逆戻り 目次へ戻る