Nature ハイライト 細胞:サーチュインSIRT7は腫瘍進行にかかわっている 2012年7月5日 Nature 487, 7405 哺乳類のサーチュインタンパク質であるSIRT7は、リボソームRNAの転写と結びつけられてきたが、ほかの既知のヒトサーチュインとは異なり、その基質や生理学的機能ははっきりしていない。今回SIRT7の酵素活性が報告され、SIRT7活性を基本的ながん細胞表現型の維持や腫瘍の悪性化(プログレッション)に結びつけるいくつかの証拠が示された。SIRT7はヒストンH3リシン18特異的なヒストンデアセチラーゼとして機能し、転写抑制を促進する。SIRT7の標的遺伝子は腫瘍抑制に関連しており、また、発がん性転写因子ELK4は標的プロモーターにSIRT7を動員できる。SIRT7は、マウスで細胞の形質転換と腫瘍増殖の維持に必要である。 2012年7月5日号の Nature ハイライト 細胞:レトロウイルス様エレメントによってプライミングされる幹細胞 宇宙:宇宙で最初の星を追う 宇宙:形成途中の惑星たち 物性:電圧で制御するグラフェンプラズモニクス 化学:β-ジケトンの反応性に関する新しい考え 古人類学:森の果実を楽しんだアウストラロピテクス 医学:乳脂肪は腸内細菌叢を変化させる 細胞:サーチュインSIRT7は腫瘍進行にかかわっている 合成生物学:哺乳類の単一細胞によるバイオコンピューティング 目次へ戻る