Nature ハイライト 宇宙:宇宙で最初の星を追う 2012年7月5日 Nature 487, 7405 宇宙で最初の星と銀河を見つけるのは、依然として天文学で最も困難な課題の1つである。今回、これまで考えられていたよりもずっと早い星形成時期が観測可能だとする研究が発表された。R Barkanaたちは、宇宙年齢1億8000万年に相当する赤方偏移z=20にある最初の星の分布をシミュレートした結果を報告している。彼らのモデルは、暗黒物質とバリオンガスの相対速度差によって一部の領域では星形成が抑制されたという最近の説を取り込んでいる。このシミュレーションは、そのような星形成の抑制から、宇宙で群を抜いて多い元素である中性水素の21 cmスペクトル線に、これまで推測されていたよりも数倍強くて100メガパーセクのスケールで10ミリケルビンとなる揺らぎのシグナルが生じることを示唆している。そうしたシグナルは、現在の巨大電波望遠鏡で50〜100 MHzの周波数を観測するように設計されているものならば、観測能力の範囲内に入ってくると考えられるのだ。 2012年7月5日号の Nature ハイライト 細胞:レトロウイルス様エレメントによってプライミングされる幹細胞 宇宙:宇宙で最初の星を追う 宇宙:形成途中の惑星たち 物性:電圧で制御するグラフェンプラズモニクス 化学:β-ジケトンの反応性に関する新しい考え 古人類学:森の果実を楽しんだアウストラロピテクス 医学:乳脂肪は腸内細菌叢を変化させる 細胞:サーチュインSIRT7は腫瘍進行にかかわっている 合成生物学:哺乳類の単一細胞によるバイオコンピューティング 目次へ戻る