Nature ハイライト
気候:南太平洋上の嵐雲
Nature 488, 7411
南太平洋収束帯(SPCZ)は、太平洋に広がっている、降水量の多い広大な領域である。強いエルニーニョ現象が起きると、SPCZは北方に移動して、圧縮されて経度方向に伸びる傾向がある。これが帯状のSPCZ現象と呼ばれる状態である。W Caiたちは、大循環モデルの大規模なアーカイブを徹底的に調べ、温室効果ガスの増加によって赤道太平洋の温暖化が強まると予測されることを見いだした。さらに、エルニーニョ現象の将来については大循環モデルの結果はモデル間で一致していないが、この温暖化によって帯状のSPCZの頻度が増加する。帯状のSPCZの頻度の増加によって、南太平洋全体にわたって極端な気象現象がより頻繁に起こることになると考えられる。
2012年8月16日号の Nature ハイライト
医学:新しい種類の抗がん治療標的
脳:皮質の介在ニューロンを種類分けする
宇宙:銀河団の冷却流
物理:核スピンを使う量子コンピューティング
海洋:窒素収支の問題
気候:南太平洋上の嵐雲
遺伝:アメリカ大陸への道
脳:神経細胞の細胞ごとの違い
生物物理:好中球がローリングし続ける秘訣
発生:エピジェネティックな幹細胞プログラム化