Nature ハイライト
発生:エピジェネティックな幹細胞プログラム化
Nature 488, 7411
ゲノムのエピジェネティックな変化は、細胞の再プログラム化の重要な特性の1つだが、この過程でクロマチンやDNAの修飾を担う因子についてはあまりわかっていない。今回J Hannaたちは、ヒストンH3K27の脱メチル化酵素Utxが、体細胞の再プログラム化開始の非常に重要な制御因子であることを報告している。Utxを欠く細胞は、既知の「転写因子カクテル」による再プログラム化ができず、これらの細胞はキメラマウスでの生殖細胞系列伝達に寄与することができない。したがって、Utxはin vitroとin vivoで、体細胞と生殖系列の両方の再プログラム化に必須である。この研究により、in vitroでの誘導多能性幹細胞の作製の機構と、初期生殖系列の発生制御とのつながりが浮かび上がってきた。
2012年8月16日号の Nature ハイライト
医学:新しい種類の抗がん治療標的
脳:皮質の介在ニューロンを種類分けする
宇宙:銀河団の冷却流
物理:核スピンを使う量子コンピューティング
海洋:窒素収支の問題
気候:南太平洋上の嵐雲
遺伝:アメリカ大陸への道
脳:神経細胞の細胞ごとの違い
生物物理:好中球がローリングし続ける秘訣
発生:エピジェネティックな幹細胞プログラム化