Nature ハイライト
遺伝:アメリカ大陸への道
Nature 488, 7411
南北アメリカ大陸への人類の定住は、1万5000年以上前、氷河期にアジア大陸とアメリカ大陸の間に存在したベーリング陸橋を渡って行われた。定住に関係した人類移動の回数や、その後の南北アメリカ大陸内の分散パターンといった重要な問題は、いまだに解明されていない。今回、アメリカ先住民およびシベリア人集団の遺伝的変動に関する新たな調査で、アメリカ先住民がアジアからの少なくとも3回の移動の波に由来することが明らかになった。アメリカ大陸への最初の定住に続いて、海岸に沿って南方への展開が起こり、それに伴って集団が連続的に分かれていき、特に南アメリカでは分岐後の遺伝子流動がごく小さかった。
2012年8月16日号の Nature ハイライト
医学:新しい種類の抗がん治療標的
脳:皮質の介在ニューロンを種類分けする
宇宙:銀河団の冷却流
物理:核スピンを使う量子コンピューティング
海洋:窒素収支の問題
気候:南太平洋上の嵐雲
遺伝:アメリカ大陸への道
脳:神経細胞の細胞ごとの違い
生物物理:好中球がローリングし続ける秘訣
発生:エピジェネティックな幹細胞プログラム化