Nature ハイライト 進化:オルステン型の新しい化石 2007年10月4日 Nature 449, 7162 近年、後生動物の初期進化に関する考え方は、「オルステン」型の化石によって大きく変化した。この種の化石は、胚や節足動物の幼生とみられる生物の軟組織が極めて良好に保存されているのが特徴である。「オルステン」という名称は、この種の化石が最初に見つかったスウェーデンの石油分を含んだミョウバン頁岩の名前からきている。同じように保存状態のよい化石は、それ以来、他の場所でも見つかっている。重要なのは、そうした化石産出の場所に今回、中国のカンブリア紀前期層が加わったことだ。系統的に現生の甲殻類につながる「真正甲殻類」の化石は、およそ5億年前から化石記録に広くみられる。中国で今回新しく出土したオルステン型の化石群には、立体構造が細部まできれいに保存された、知られるうちで最古の真正甲殻類が含まれていることから、この分類群の化石記録の年代は大きくさかのぼることになる。 2007年10月4日号の Nature ハイライト 宇宙:連発宇宙線 細胞:プログラムされた転移 生理:痛いところに効く 免疫:乾癬の引き金 物理:ボーズ・アインシュタイン凝縮体のジョセフソン接合 地球:熱帯が冷えていたとき 進化:オルステン型の新しい化石 生態:食物網の複雑性 細胞:ホリデイ構造の解明 目次へ戻る