Nature ハイライト 地球:熱帯が冷えていたとき 2007年10月4日 Nature 449, 7162 最終氷期とその後の退氷期における熱帯の気候条件については、ほとんどわかっていない。今回P-H Blardたちは、ハワイのマウナケア火山にある氷河のモレーン、つまり氷河が残した岩石堆積物の年代を推定し、氷河が後退した時期を特定した。さらに、氷河の広がりについてのモデルを用いて、この後退に伴う温度変化を見積もると、太平洋中央部の高地であるマウナケアの温度は最終氷期極大期には現在よりも約7 ℃低かったことがわかった。この地域では、完全な氷期の状態が約15,000年前まで継続したようである。このパターンはグリーンランドで観測されたものと似ており、最終氷期には太平洋中央部の大気と北大西洋の大気の間につながりがあったことを示唆している。 2007年10月4日号の Nature ハイライト 宇宙:連発宇宙線 細胞:プログラムされた転移 生理:痛いところに効く 免疫:乾癬の引き金 物理:ボーズ・アインシュタイン凝縮体のジョセフソン接合 地球:熱帯が冷えていたとき 進化:オルステン型の新しい化石 生態:食物網の複雑性 細胞:ホリデイ構造の解明 目次へ戻る