Nature ハイライト 細胞:プログラムされた転移 2007年10月4日 Nature 449, 7162 ヒトの乳癌細胞に関する新たな研究から、乳癌細胞は骨髄由来の間葉系幹細胞(MSC)と協同して働き、転移を進行させることが明らかになった。乳癌細胞はMSCを刺激してサイトカインCCL5を産生させ、これが癌細胞の浸潤と転移を促進する。重要なのは、MSCによって刺激された癌細胞は、安定した転移性表現型を獲得するわけではなく、状況に即したシグナルがない場合には前癌状態に戻ることだ。この結果は、CCL5またはその受容体を標的とする治療によって、癌細胞の転移プログラムを元に戻せる可能性があることを示している。 2007年10月4日号の Nature ハイライト 宇宙:連発宇宙線 細胞:プログラムされた転移 生理:痛いところに効く 免疫:乾癬の引き金 物理:ボーズ・アインシュタイン凝縮体のジョセフソン接合 地球:熱帯が冷えていたとき 進化:オルステン型の新しい化石 生態:食物網の複雑性 細胞:ホリデイ構造の解明 目次へ戻る