Nature ハイライト

細胞:プログラムされた転移

Nature 449, 7162

ヒトの乳癌細胞に関する新たな研究から、乳癌細胞は骨髄由来の間葉系幹細胞(MSC)と協同して働き、転移を進行させることが明らかになった。乳癌細胞はMSCを刺激してサイトカインCCL5を産生させ、これが癌細胞の浸潤と転移を促進する。重要なのは、MSCによって刺激された癌細胞は、安定した転移性表現型を獲得するわけではなく、状況に即したシグナルがない場合には前癌状態に戻ることだ。この結果は、CCL5またはその受容体を標的とする治療によって、癌細胞の転移プログラムを元に戻せる可能性があることを示している。

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