Nature ハイライト 免疫:乾癬の引き金 2007年10月4日 Nature 449, 7162 形質細胞様樹状細胞(pDC)の異常な活性化によるインターフェロンの産生は、免疫を介した炎症と乾癬の発症を引き起こす場合がある。今回、この作用の引き金の1つがヒトの抗菌ペプチドLL37であることが明らかになった。LL37は、乾癬患者の皮膚や損傷を受けた皮膚に認められる。このペプチドは、CAMPとしても知られており、死につつある細胞から放出された本来は非刺激性の自己DNAを、pDCでのインターフェロン産生の強力な活性化因子へと変える。これらの知見は、乾癬やおそらくはその同類の疾患でみられる自己免疫性皮膚炎の促進にも、LL37の過剰発現が関与している可能性を示している。したがって、LL37アンタゴニストは炎症性疾患に有効である可能性があり、また、LL37自体はワクチンのアジュバント(免疫増強剤)として有用かもしれない。 2007年10月4日号の Nature ハイライト 宇宙:連発宇宙線 細胞:プログラムされた転移 生理:痛いところに効く 免疫:乾癬の引き金 物理:ボーズ・アインシュタイン凝縮体のジョセフソン接合 地球:熱帯が冷えていたとき 進化:オルステン型の新しい化石 生態:食物網の複雑性 細胞:ホリデイ構造の解明 目次へ戻る