Nature ハイライト

物性:効果的な有機強誘電体

Nature 488, 7412

偏光顕微鏡を通して見た針状の強誘電体結晶。
偏光顕微鏡を通して見た針状の強誘電体結晶。 | 拡大する

Credit: Dennis Cao, Mark Seniw

強誘電体は、自発電気分極を示し、この分極は外部電場の印加によって反転できる。強誘電性はキュリー温度未満で現れるが、有機強誘電体のキュリー温度を室温以上に上げることができれば、さまざまな応用が期待できる。今回A Tayiたちは、超分子構造モチーフに起因する優れた特性を示すと考えられる有機材料群を用いて、この室温強誘電性という目標を達成した。このモチーフでは、成分分子が双極子生成電荷移動対を形成するばかりでなく、成分分子が集合して規則正しい三次元水素結合ネットワークを作る。これらの材料は、センサーやエネルギー効率のよいメモリーに応用が見いだされるであろう。また、今回の基本的分子構造は、室温で電場によってスイッチング可能なその他の機能性有機材料系を開発する指針を得るのに役立つかもしれない。

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