Nature ハイライト
遺伝:突然変異率はクロマチン構造の影響を受ける
Nature 488, 7412
がんのゲノム塩基配列が解読されたことで、ヒトゲノム全域にわたって突然変異率がどのように変動するのかを直接明らかにできるようになった。B Schuster-BöcklerとB Lehnerは、白血病、黒色腫、肺がん、前立腺がんのゲノムで見られた8万個を超える特有の一塩基多型の位置に関するデータを使って、体細胞での突然変異率のゲノム内分布状態を、生殖細胞系列の場合と対比して調べ、突然変異率がクロマチン構造と密接に関連することを明らかにしている。この結果から、ヒト体細胞では、ヘテロクロマチン様あるいはユークロマチン様の領域へのゲノムの配置が、局所的な突然変異率の変動に大きな影響を及ぼしていると考えられる。
2012年8月23日号の Nature ハイライト
物理:クーロンドラッグの損失をカットする
物性:効果的な有機強誘電体
地球:ヒマラヤ山脈の氷河質量損失の再計算
遺伝:突然変異率はクロマチン構造の影響を受ける
遺伝:多発性硬化症における遺伝的変動
医学:がん細胞の階層
医学:固形腫瘍のクローン解析
植物:低リン酸土壌に耐えるイネ
細胞:テロメアが無制限に伸びないようにする仕組み